【亭主元気で留守がいい】全一(10/14)

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嬉しいけど、毎日めっちゃ撮られたら、どう考えても、絶対クソ退屈だもん!!」とご本人がおっしゃっていたから。

    あれほど静かだったので、心配なのは、ひょっとすると、あの人もちょっと不安を感じているのかもしれないということだ。

    何しろ时间が経つにつれて、例の一〇五大灾难の引き金となった出来事が、また繰り返されようとしているのだから。

    もちろん、あの人はそんなことを口に出すはずもない。

    ちゃんと打ち明けてくれればいいのに。

    きっと抱きしめてあげるから、絶対好きなだけ慰めてあげるから。

    素直にしてくれればいいのに。

    あの人の不幸をきっかけに、堂々と近づけることをこっそり喜んでしまうのは、あまりにも卑劣なことだと思うが。それでもいつも许してくれてありがとう、だいすきだ。

    とにかく、耻ずかしがり屋は元々そういうものなのだ。

    亲密に扱われていたからこそ、かえって耻ずかしくて直视さえできず、思い出したり、かき残したりすることがとてもできなかった。だから、本来ならこれ以上かき続けるつもりはなかったが。正直にいうと、今でもとても耻ずかしくて、なかなかかきづらい気がしている。

    ところが、9月1日にとんでもない出来事が起き、完全に気が変わったのだ。

    一昨昨日の夕方。半信半疑のまま、あの人に电话をかけてみた。

    信じられないことに、コール音が鸣り始めてすぐ、すんなりと出てもらえたのだ。

    予想通り、相変わらず「ん、ん」と、相手は适当に相槌を打ってくれた。多分、また话しにくい状况だったのだろうが。

    しかし、あの人、电话口で、口ずさんでいたのだ。

    なんとなく闻き覚えがある気がしてきた。头の中でメロディーを探してみると、すぐに思い出し、つい半フレーズほど口ずさんでしまったが。そのときこそ、やっと曲名に気づいた。

    「それ、『テイク  ミー  バック』かしら。」と寻ねてみた。

    相手は「うん」と返事してくれた。

    「…じゃ、『テイク  ミー  バック』ってどういうつもり???」と繰り返して确认し、「迎えに行かせるってこと?」

    すると、向こうからかすかな笑い声が闻こえ、少し间を置いて、「うん!」とはっきり返事してくれたのだ。

    「ゆっくりでね」と言ってくれてから、あの人は电话を切った。

    そこで车の键を手に取り、すぐ家を飞び出していった。到着した时、スリッパのままであることに気づいた。だが、これは仕方ないことだ。うちのパパがすでに助けを求めているのだから。夫が迎えに来てほしいと思っているのだから。

    その时の気持ちは、まるで以前保育园から「スズメがママを探してて泣いているよ」と初めて电话を受けた时のようだった。不甲斐ないママは一刻も早くうちの子を抱きしめたくなり、不器用な妻は自分の夫をすぐに连れ帰りたいと愿い、一秒たりとも待てなかった。

    目的地は远い、巨大な会场だった。

    大きな正门は闭ざされていたが、横にある侧门は键がかかっていなかった。力を込めて押し开けると、中には案内板があり、小走りで向かうべき会场へと进んだ。

    ロビーには様々な物音が闻こえていたが、気にしなかった。ただ、思い切り大きな音を立てて、両开きのドアを押し开けたのだ。

    人々は、远くにも近くにも、客席のあちこちに散らばって座っていた。そして、ドアが开く音に、视线がこっらへ向けられた。

    しかし、そんなことに気づく余裕はなかったのだ。

    一目で见つけた。

    たった一目で。

    一目见ただけで见つけられたのだ。

    あの人はステージに近いところに座り、周りは多分友人や同僚だった。他に谁がいたのかを确认できなかったのは、よそ见さえしたくなかったからだ。

    すぐ目の前にいたのだから。

    もちろんあの人もこっちに気づいた。口元はきつく引き缔まっていて、笑いをこらえるのに必死な様子だった。それでも、组んでいた足を下ろし、両膝を揃え、行仪よく见せようとしていた。

    今思えば、もっと考えてから挨拶でもしておけばよかったと后悔している。でも、その时はもう何も构っていられなかった。夫は家に帰りたいと言っていたのだ。夫は目の前にいるのだ。连れて帰らなきゃ。谁にも止められないのだ。その时はそう考え、それしか考えていなかった。

    だから、手を取って、そのまま引きずり出していった。

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